Olive Guide 2018

Cadeauでオリーブの木をご購入いただいたお客様すべてに、オリーブの木をお育てになるにあたっての、“手引書(Olive Guide)”を同封させていただいていました。

手引書は、初期に配布していたA4用紙の裏表にプリントしただけの第1弾から始まり、今回ここに掲載する Olive Guide の2018年版は第5弾(A4用紙約8枚分)になります。

この手引書を書いていて思ったのは、いろんな人に同じように理解してもらえるような文章を書くことは、非常に難しいということです。

手引書がバージョンアップしていくごとに毎回加筆修正をするのですが、なかなか上手く理解してもらえない。

そんな葛藤に苦しんでいました。

第5弾の Olive Guide 2018 は、オリーブ担当の自分にとって集大成とも言えるものでした。

文章を起こしてそれを練るのに一か月以上かけ、推敲すること十数回。

これ以上は上手く書くことができません。💦

Cadeau オリーブ担当の渾身(?)のコンテンツです。

 

引用や参照はしていただいて構いません。

ただ非常に手間暇かけたコンテンツですので、是非とも出典元( Cadeau Jimdo Shop )は明らかにして欲しいです。

(※著作権は放棄しておりませんので。)

どうぞよろしくお願い致します。

 

出典元

Cadeau Jimdo Shop

https://cadeau-olive.jimdofree.com/

 

と、どうぞお書き添えください。

 

※なお、Olive Guide の文末にありますメールアドレス(master@cadeau.ocnk.net)は、Cadeau の完全閉店後は使用することができません。

もし何かしらご連絡をいただける場合は、このサイトのお問い合わせフォームからお願い致します。

 

オリーブを生育するにあたっての手引書

Olive Guide                                       

 

 

 この度は、小豆島産オリーブの木をご購入いただきまして、誠にありがとうございました。

 簡単ではございますが、オリーブの木をお育てになるにあたっての、“手引書(Olive Guide)”を同封させていただきますので、参考にしていただければ幸いです。

 

 オリーブの成木は、暖かくて雨の少ない気候を好みますが、意外に耐寒性は高く、冬はマイナス5℃程度なら耐えられるといわれています。

 痩せ地でも比較的良く育ちますが、できるだけ日当たりの良い場所で育ててあげてください。

 

 

*植え方のポイント

 

 オリーブを植え付ける時は、地植え・鉢植えに関わらず、たっぷりの水を使って植え付けてください。

 

<地植えの場合>

 

 オリーブを地植えして完全に根付きますと成長が早いです。

 ある程度は剪定でオリーブの大きさの調整はできますが、樹高が高くなるだけでなく、幹や枝が徐々に太くなり、枝葉の広がりも大きくなります。

 そのため、家や門扉・フェンスなどの構造物、また隣地の近くには植えないようにしてください。

 

 地植えされる場合は、事前に植える場所の水はけの良し悪しをチェックしておいてください。

 簡単なチェック方法として、直径30cmほど深さ30cmほどの穴(少し多めの水が溜まる程度で構いません)を掘って、その穴からあふれ出ないように気をつけながら水をいっぱい入れます。

 溜まった水が5分程度でしみ込んで無くなってしまえば、良好な状態といえます。

 また数十秒でしみ込んで水が無くなってしまう場合は砂質の土壌、また数十分経っても水がしみ込んでなくならない場合は粘土質の多い土壌といえます。

 

 水はけの良好な場所に植えるのがベストですが、植える予定の場所がそうでない場合は、水はけが少しでも良くなるように、土壌の改良をしていただいた方が良いです。 

 Cadeauサイトの “オリーブを植え込む前に” のページの中で、簡単な土壌改良の方法をご説明させていただいておりますので、参考にしてくださいませ。

 水はけが悪い場所では、土の中が過湿になってオリーブの根が酸欠を起こし、根腐れを起こす可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。

 

 オリーブを植え付ける時は、根巻きの麻なわや麻布が、少し見えるくらいの深さに植え込んでください。

 オリーブは浅根性(浅い地層に根を伸ばしやすい習性)で、しかもオリーブの場合は二重根を防ぐために深く植えない(浅めに植える)のが基本ですので、風が強い日などは倒れやすくなってしまいます。

 ですから地植えでお育てになられる場合は、風で倒れないように、しっかりと添え木をしてあげてください。

 土壌改良であまり広範囲に深く掘り返せない場合は、植える予定の場所に少し盛り土をすることで、水はけの効果が上がります。

 地植えの場合は、オリーブを植えた場所の雨水の排水性が良いかどうかがポイントになります。

 水はけの良くない土壌の場合は、土壌改良を行った後に少し盛り土をして、周りの地面よりも少し高くなるように植え付けてください。(小高い丘の上に植え付けるイメージで)

 盛り土の高い部分に植えることで、雨水がオリーブの周りに溜まりにくくなり、雨が上がってからオリーブの周りの土が乾きやすくなるというメリットがあります。

 デメリットとしては、夏場の高温期にお庭の他の部分よりも土が乾きやすくなるため、しっかり根を張るまでは、水切れに若干の注意が必要となることです。

 

<鉢植えの場合>

 

 鉢植えで使う土(培養土)は、使い慣れた培養土があれば、それを使っていただいて構いません。

 ただしオリーブは酸性土壌を嫌いますので、中性(PH7)前後の培養土であれば良いかなと思います。

 

 オリーブは、土の中が過湿の状態になっているのを嫌います。

 過湿の状態が続くとオリーブの根が酸欠になって傷んでしまい、根腐れへと移行していく可能性があります。

 そのため植木鉢の用土は、できるだけ水はけの良い状態になるように準備してあげてください。

 植木鉢の容量(土の量)、また日当たりや風の通り具合などの環境によって、土の乾きやすさが異なりますので、鉢底に入れる鉢底石の量を調整したりして、水はけが良くなる工夫をしておきましょう。

 

 植木鉢の底の形状や置く場所にもよりますが、鉢底と接地面が密着していますと、水はけが悪くなってしまう可能性がありますので、充分にお気をつけください。

 ご心配な方は、接地面と植木鉢の間に隙間ができるように、タイルやレンガなどの上に植木鉢を置かれると、水はけがスムーズになると思います。

 

 

*水やりのポイント

 

 オリーブは過湿を嫌いますので、地植え・鉢植えに関わらず、過剰な頻度の水やりは絶対にしないようにしてください。

 

<地植えの場合>

 

 日本の気候は時折雨が降りますので、気温が高い季節で長い期間にまとまった雨が降らない場合に、水切れに気をつけていただくくらいで大丈夫だと思います。

 お住いの地域や植えられた環境(日当たりや水はけの良し悪しなど)、またその年の気候(暑いor涼しい、雨が多いor少ない)によって水やりの頻度は違います。

 下記の水やりの頻度は平年並みの気候の場合で、あくまでも参考程度の数値とお考えください。

 

 地植えの時の水やりの目安としては、3月~梅雨入りまでは月に1回か2回、梅雨明け後~9月までは月に3~4回、10月は月に1回か2回で、11月以降の水やりは概ね必要ないと思います。

<鉢植えの場合>

 

 鉢植えの時の水やりは、用土全体に水を与え、鉢底から水が染み出てくるまで、充分に水を与えるようにしてください。

 

 お育ての環境(日当たりなど)や植木鉢の容量や材質、培養土の保水性、また季節やその年の気候によっても、用土の乾きやすさが異なってきますので、水やりの間隔は状況によって変わるものだと覚えておいてください。

 

 植え込んでしばらくは、根巻部分以外に根はありませんので根からの水分の吸収はそれ程ではなく、用土の乾きやすさは、気温や日当たり・風などの自然の蒸散によるところが大きいです。

 しかしオリーブの根が植木鉢の用土の中で伸び始めると、新しく生えた根からも水分を吸い上げるようになりますので、用土の乾きやすさは根の成長とともに早くなってくると思います。

 気温が高く日当たりが良い場所でお育ての場合は、用土が完全に乾いて水切れしてしまわないように、充分にお気をつけください。

 

 初めてオリーブをお育てになる方ですと、オリーブの生育に慣れるまでは、適切な水やりの間隔が分かりにくいものです。

 最初は表土の乾きだけで判断するのではなく、用土全体の乾き具合を土を掘って調べたりしながら、水やりのタイミング(湿っていたら水やりを控え、乾いていたら水やりをする)を覚えていただくと良いと思います。

 

 気温が高い時期に葉水(土だけでなく木全体に水を掛けること)を行っていただくと、水やりとしての効果は大きくなりますので、夏のように気温が高く水分が蒸発しやすい時季の水やりにはおすすめです。

 

 

*肥料のポイント 

 

<地植えの場合> 

 

 植え付けたばかりの時には、施肥(肥料を与えること)は行わないようにしてください。

 施肥は完全に根付いた後、年に2回程行うと良いでしょう。

 使う肥料は、緩効性の化成肥料や固形油肥、オリーブの専用肥料などが良いと思います。

 

 沖縄などの冬でも暖かい地域では、一年を通して根が活動していると考えられています。

 それ以外の地域では、冬は根が休眠していて、3月上旬辺りから根が活動を再開すると考えられています。

 根が活動を再開する一か月ほど前の2月上旬(節分以降)に、1回目の施肥を行います。

 

 冬の休眠期に入る一か月ほど前までには、2回目の施肥を行いたいものです。

 結実するようになったオリーブの場合は、10月頃から果実が肥大化するようになりますので、2回目の施肥の時期としては10月頃が適当だと思います。

 

 オリーブが開花・結実するようになりますと、補足的に施肥を行った方が良い場合もあります。

 開花や結実するようになると、花芽や果実の方に多くの養分が必要となりますが、根から吸収したり光合成で蓄えられた養分では賄いきれなくなることがあります。

 そういった時には、内部留保していた養分の中で、葉に蓄えられている養分を利用するために、葉の緑色が薄くなったり、黄色い葉が多くなって落葉が少し増えてきたりすることがあります。

 「黄色い葉が少し多くなってきたかな?」と感じた場合は、土の中の養分が不足してきた可能性もありますので、6月辺りを目安に少し肥料を与えてあげると良いでしょう。

 

 樹木は細根(根の先端部分)から肥料成分を吸収しますので、オリーブの幹部分に近すぎたり、逆に遠すぎても施肥の効果が薄くなります。

 根の先端は、枝の先端の直下付近まで土の中で伸びていると考えられていますので、その辺りが施肥をするポイントとなります。

 枝の先端の直下辺りに、10㎝くらいの深さの穴を何か所か掘り、そこに適切な量の肥料を入れて埋め戻してください。

 

<鉢植えの場合>

 

 元肥入りの培養土はそのまま使っていただいても構いませんが、植え付ける時には追加で施肥は行わないようにしてください。

春先から梅雨明けまでに植え付けた場合は、秋の施肥(10月頃)のみにし、梅雨明け後に植え付けた場合は、その年の施肥は行わない方が良いと思います。

 施肥は完全に根付いた後で、年に3回程行うと良いでしょう。

 使う肥料は、緩効性の化成肥料や固形油肥、乾燥鶏糞、オリーブの専用肥料などが良いと思います。

 また水やりの際に、活力剤(メネデールなど)を希釈した水を時折利用していただくと、葉の色が良くなったり、弱っていた木が元気になってきたりします。

 

 1回目の施肥は、お育ての地域の気候によって多少変わるとは思いますが、2月上旬(節分辺り)~3月中旬までには行ってください。

 

 鉢植えのオリーブは土の量が限られていて、また水やりの際に培養土から肥料成分の流出がありますので、6月頃に2回目の施肥(追肥)をしてあげると良いです。

 

 3回目の施肥は、10月頃に行ってください。

 春先から活動していて疲れているオリーブに、栄養を補給してあげる意味での施肥(お礼肥え)となります。

 

 

*お手入れ(剪定)のポイント

 

 新しい環境で完全に根付いたオリーブは、新芽が吹き始め、いきおい良く成長を始めます。

 何も手を入れないでおくと、枝が縦横無尽と伸び始めますので、定期的に剪定をし樹形を整えるようにしてください。

 剪定は、不要な枝を枝元で切る(抜く)剪定と、長く伸びた枝の途中で切る(抑える)剪定とがあります。

 オリーブは萌芽力の強い樹木ですから、剪定後しばらくすると新芽が吹いてきますので、剪定で「切り過ぎた」「失敗した」と思っても、新しい芽が伸びて割と早い時期にリカバリーをしてくれると思います。

 ですから失敗を怖がらずに思い切って剪定を行い、そしてオリーブの剪定に早く慣れるようにしてください。

 

<地植えの場合>

 

 しっかり根付いたオリーブの木は、年々太く大きくなっていきます。

 あまり高く大きくしてしまうと、手入れや管理が難しくなってしまうので、希望される高さになったら、それ以上高くならないように、強剪定(ノコギリなどで切ること)で主幹や枝を適切な高さになるようにしましょう。

 

 幹や太い枝を剪定した時には、切り口が大きくなります。

 切り口が大きくなると、そこから雑菌が入って枯れや腐れが進行する場合がありますので、切り口に癒合剤(トップジンMペースト)を塗布し殺菌・保護しておいてください。

 

<鉢植えの場合>

 

 鉢植えで育てる場合は、地植えと違って根を伸ばすスペースが限られていますので、地植えのようには早く大きくはなりにくいです。

 それでも植木鉢の用土の中で根を伸ばすスペースがある間は、枝葉も成長しますので、不要な枝や伸びすぎた枝は剪定するようにしてください。

 剪定して小さな切り口には不要ですが、鉛筆くらいの太さよりも大きな切り口には、癒合剤(トップジンMペースト)を塗布し殺菌・保護しておきましょう。

 

<開花・結実するためには?>

 

 開花するようになったオリーブの木の場合ですが、前年に伸びた枝に花芽が付きますので、その枝を剪定で全て切り戻してしまうと、花芽が付かなくなります。

 花芽を付かせるためには、前年に伸びた枝をある程度残しつつ、樹形を整えるように剪定しましょう。

 

なお剪定についてはもちろんのこと、オリーブの生育管理や作業についても、『 NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 オリーブ 』が分かりやすく書いてあるので、一冊お手元にあると便利だと思います。

もしオリーブを初めてお育てになる方でしたら、おすすめの一冊です。

 

 

*病害虫に対するポイント

 

 オリーブの葉を食害する、スズメガの幼虫やハマキムシなどの害虫が発生することがあります。

 卵からかえって間もない時期には、ハマキムシなどの幼虫は一枚の葉にまとまっていることが多く、その葉を切り取ることで、まとめて駆除することが可能です。

 オリーブの背丈が大きくないうちは、仮に虫が広がってしまった場合でも、なるべく農薬の散布による駆除を行うことなく、個別に捕獲していただくか、食害している葉を虫ごと切り取っていただくと良いと思います。

 

 オリーブにとっては、生育環境を変えること(移植)は少なからずストレスになっていると思います。

 ですから、移植して間もないオリーブは、農薬など刺激物に対しての抵抗力が落ちていると考えられますので、植え付けたシーズンは、なるべく害虫に対しては薬剤散布に頼らない対応をしていただくと良いと思います。

 

 もし農薬を散布する場合は、発生害虫に対応した農薬(登録農薬)を使用するようにしてください。

 オリーブの登録農薬については、香川県農業試験場小豆分場の “オリーブいろいろ” サイト内に、オリーブに使用できる農薬の一覧が載っていますので、そちらを参考にしていただくと良いと思います。

 

オリーブいろいろ

http://www.pref.kagawa.jp/noshi/olive/index.html

                                             

 成長して直径が500円玉ほどの太さになったオリーブの幹や根幹や枝には、オリーブアナアキゾウムシ(成虫・幼虫)やテッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が食害することがあります。

 オリーブアナアキゾウムシやテッポウムシに食害されている場合、侵入された箇所に小さな穴が開いていて、その付近におがくずのような木くずが落ちていますので、すぐに分かると思います。

 オリーブアナアキゾウムシやテッポウムシの食害を発見しましたら、ピンセットなどを使って侵入している幼虫を穴からかき出して駆除し、スポイトなどを使って穴の中にスミチオン乳剤の50倍希釈液を流し込んでおきます。

 

 オリーブアナアキゾウムシやテッポウムシに食害されていることを知らずにそのままにしておきますと、オリーブが重篤な状態になったり、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。

 日頃から「オリーブに何か変わった様子はないかな?」と観察することを習慣付けていただくと、害虫による食害やオリーブの変調の早期発見につながると思います。

 

 オリーブアナアキゾウムシやテッポウムシによる食害がご心配でしたら、幹の地際の部分から幹や枝の直径が2~3cmの太さのある部分までは、スミチオン乳剤を50倍に希釈して塗布するようにしてください。 

 ただし、この希釈液は通常よりも高濃度のため、葉にかからないように充分にご注意ください。

 また使用時には、薬剤に記載されている注意事項を必ず守ってお使いください。

 スミチオン乳剤を塗布した部分をオリーブアナアキゾウムシやテッポウムシが食害しますと、薬剤の殺虫効果により退治することができます。

 

 オリーブをお育ての方にとって、もっとも厄介な害虫にコガネムシの幼虫があります。

 それは、コガネムシの幼虫はオリーブの根を食害しますが、食害を早期に発見することが難しいからです。

 鉢植えのオリーブの場合、植木鉢という限られたスペースの中で根を食害される訳ですから、食害に気が付かずにいると、オリーブが弱ったり枯れてしまうことがあります。

 「新芽や若い葉が萎れる」「黄色い葉が急激に増えた」「落葉が多くなった」など、健康な状態のオリーブには見られなかった症状が現れた時は、コガネムシの幼虫による根の食害を疑ってみた方が良いと思います。

 コガネムシの幼虫に対するオリーブの登録農薬は今のところありませんので、食害を確信したらすぐに植え替えを行って、用土に潜んでいるコガネムシの幼虫を残らず駆除してください。

 コガネムシの幼虫がいた培養土には、コガネムシの幼虫のフンが含まれていますが、そういった土にはコガネムシの成虫への誘引作用があるといわれていますので、植え替える場合は新しい培養土や鉢底石を使って植えるようにしてください。

 

 オリーブに発生することがある主だった病気では、枝先から順番に枯れ込んでくるオリーブ梢枯病と、オリーブの実に発生するオリーブ炭疽病があります。

 オリーブ梢枯病の場合は、枝の枯れている部分と生きている部分の境目(木肌の色合いが違っていると思います)から3㎝下を目安に切り落として、その場所に放置することなく処分してください。

 そして切り口に、殺菌剤のトップジン水和剤(1000倍希釈液)を塗布してください。

 

 オリーブ炭疽病は、カビの一種が原因で発症することのあるオリーブの実の病気です。

 6月~10月頃の長雨や湿度が高い時に発生しやすく、果実に褐色の斑点が広がったり、実が奇形になったりします。

 オリーブ炭疽病を発症した果実や、病気で落ちてしまった果実は、速やかに取り除き処分してください。

 

 

*その他で気を付けていただきたいこと

 

地植えされる方も植木鉢などに植えられる方も、オリーブの根を養生している根巻きテープ(麻布)や麻なわは取り外さずにそのままお植えください。

 根巻きテープや麻なわは、原材料が麻でできていますので、数ヶ月かけて土の中で分解されて、最終的には土に戻りますのでご安心ください。

 

 オリーブの木は浅根性といって、あまり地中深く根を張らない性質なので、台風などの強風の時に風にあおられて倒れてしまう可能性があります。

 オリーブの木の根元を避けるように少し離れた所から、3~4本の添え木(竹や園芸用の支柱など)を土に斜めに差し込んで、オリーブの木を支えるようにして添え木を設置してください。

 オリーブの木と添え木とを紐などで結束すると、風への対策となります。

 地植えされる場合は、必ず添え木を施すようにしてください。

 なお木が成長して幹や枝が太くなってきますと、添え木との結束部分が幹や枝に食い込んできますので、結束した部分が窮屈になってきましたら、新たに紐などで結束し直すようにしてください。

 

 一般的にオリーブの実は、樹齢8年以上の木に生るといわれていますが、オリーブはどの品種も自家受粉しにくいので、開花時期の合う異なった品種のオリーブを2本以上植えると実付きが良くなります。

 2本以上のオリーブを地植えされる場合は、それぞれ3m以上は離して植えられると、お互いに邪魔にならないように育つことができると思います。 

 オリーブが大きくなって、仮に枝が重なり合うようになってしまったら、重なっている部分のどちらかの枝を剪定してください。

 

 お届けさせていただいたオリーブは、掘り上げてから梱包までの間、発送前の管理専用の畑で仮植をされています。

 仮植の期間が少し長いと、根巻きテープや麻なわが土の中で分解され始めるため、まれに根巻部分に白いカビのようなものが付着していることがあります。

 これは麻が土の中の微生物に分解され始めた時に発生するもので、オリーブにとっては無害なものです。

 そのまま植えていただいて構いませんので、ご安心ください。

 

 オリーブをお届け用の箱に梱包してから、お客様の所へお届けするまでの間は、当然ながら水を与えることができません。

 その為に、お届けしたオリーブの新芽が、まれに萎れていることがあります。

 オリーブを植え込んで充分に水を与えてから、翌日まで新芽の様子を見ていただいて、翌日になっても新芽が萎れたままでしたら元通りに戻ることはありませんので、萎れた部分は切り取ってください。

 切り落とした付近から、しばらくすると新芽が吹き直してくると思います

 

 生育環境が当然変わりますので、最初のうちは環境の変化にオリーブが上手く適応できず、新しい環境に対して最適化しようとするために、自ら落葉して葉を減らすことがあります。

 また根からうまく養分を吸収できないために、葉内に蓄えられた養分を消費して、葉の色が抜けるように黄色くなり、いくらか落葉することもあります。

 これは植え替え直後によく起こる症状ですので、ご心配なさらなくても大丈夫だと思います。

 根巻から発根して活着が進むにつれ、根から養分を吸い上げるようになりますので、葉が黄色くなる症状は、徐々に少なくなると思います。(役目を終えた葉から黄色くなって落葉しますので、完全には無くなりません)

 

 鉢植えのオリーブは、できるだけ室外でお育てになられますようにお願い致します。

 寒冷地の冬など、翌年の暖かくなるまで室内でお育てになられる場合には、できる限り日当たりの良い環境でお育てになってください。

 止むを得ず室内で鉢植えでお育てになられる場合は、室内といえども意外に鉢からの水分の蒸散は多いものなので、用土の状態を確認して、水やりの管理は細心の注意を持って行うようにしてください。

 室内で管理の場合は、メネデールなどの活力剤を希釈した水を水やりにご利用されることをおすすめします。

 

 鉢植えで育てていると、そのうち植木鉢の中で根が詰まって、生育に支障をきたすようになりますので、何年かに一度は、根詰まり解消のために植え替えを行うようにしてください。

 

 

© 2018 Cadeau

 

 

<< Cadeau オリーブ担当から >>

 

 この度は、小豆島産オリーブの木をご購入いただきまして、誠にありがとうございました。

 お届けさせていただいたオリーブを大切に育てていただけたら、私共もたいへん嬉しいです。

 ところで、生産者である小豆島のオリーブ園さんや当店では、お届けしたオリーブの木のその後を知る術がありません。

 もし宜しければ、いつでも構いませんので、お届け後のオリーブの様子が分かるお写真と、オリーブやCadeauに対してのご感想・ご意見・ご希望などを Cadeau オリーブ担当宛にメールで送っていただけるとたいへん嬉しいです。

 またオリーブの生育についてのご相談などがございましたら、Cadeau オリーブ担当までご遠慮なくお問い合わせください。

 

Cadeau(カデュー) オリーブ担当

諸岡 宗平

master@cadeau.ocnk.net